ものは変化する ~景色みたいな酒~
蔵のある奈良県吉野郡は歴史的に林業の盛んな地域。日本酒造りにおいて樽や桶を作る産地として江戸時代に発展しました。樽丸( たるまる) とは、江戸時代の名醸地である灘から江戸に日本酒が樽廻船で運ばれる際の、吉野杉で作られた樽の側板を丸く束ねたもの。
当時、日本酒を入れた樽は10 日くらいかかり江戸に運ばれていました。当時から今まで営みとして続いている奇跡、そしてその杉の香りは季節によって、樽に入れる日本酒によってうつろいでいきます。日本酒の普遍的な本質とは「どうしようもないところにも合わせていこうよ生きていく中で」を受け入れた自然と歴史、ひとへの感謝なのではないでしょうか?日本酒と林業、農業がこれからも共に歩んでいけますよう願いを込めて。
日本酒ソムリエ 千葉麻里絵
画 寺田克也
樽丸“山廃”
山廃 樽丸のスタンダード。しっとりじっくりと向き合って飲む旨口タイプ。お酒の味わいがシンプルなので吉野杉をダイレクトに感じれます。和食との相性が良いです。
樽丸“水酛”
旨味と酸味が共存する、酒の肴が欲しくなるお酒です。カレーやスパイス料理と合います。
樽丸“水酛×水酛”
千葉麻里絵と花巴のコラボ酒。今回が初リリースとなります。味わいの多彩なグラデーションで、初めて飲む方も驚きを感じる「旨味爆弾」のようなのけぞる美味しさ。どんなおつまみも魅力します。
お酒の保存について
このお酒は手漉き和紙ラベルを採用しておりますので、冷蔵保存時に結露によるカビの発生も懸念されますので常温保存を心掛けて下さい。味わいにつきましても常温の方がより一層深みを楽しめるかと思います。
“樽丸くりやま” 樽丸職人の大口さん
吉野地域の植林は古くは室町時代から行われていたとされ、江戸時代にはより良い酒樽や酒桶の部材を作る為に密植という植林方法を開発してきた歴史があります。
密植させて生育をコントロールする吉野林業の技術を駆使したとしても、木という自然の中で育まれることにより生じる、滲み出るような不可避な差異があります。
一定のベクトルに統一された多様な差異だからこそ、樽丸業という加工技術により、原木の中から目利き選別を施して木を活かしてゆくことで、この花巴“樽丸”のお酒には必要不可欠な雰囲気の統一感を持たせることが出来るのだと思います。
花巴で実現したい酒造りもまさにこのような味わいです。
寺田克也
岡山県玉野市うまれ。 マンガを中心にゲーム、映画のキャラクター・デザインワーク、出版でのイラスト仕事とライブドローイングを含めた展示活動を軸として活動中。 アジアと西洋を繋ぐ画風、フルカラーマンガ「西遊奇伝・大猿王」、劇場用映画「Blood: The last vampire」などの仕事で国内外に支持を集めた。 近著にマーカードローイングを編んだ画集「寺田克也原寸」、ラクガキスケッチ集「SKETCH」(いずれもPIE INTERNATIONAL)がある。
千葉麻里絵 (日本酒ソムリエ・恵比寿 GEM by moto・第14代酒サムライ)
岩手県出身。日本全国の酒蔵とともに、専門知識と化学的知見から一人ひとりに合わせた日本酒を提供する日本酒ソムリエとして活躍。口内調味やペアリングというキーワードで新しい日本酒体験を作り、国内外の日本酒ファンを魅了している。2019年には酒サムライに叙任。
オンラインサロン「まりえ実験室」 https://www.marie-lab.com/
※こちらのお酒の取扱い店につきましては蔵まで直接お問合せください※